第15回 Alteryx User Group in Tokyo に参加しました #alteryx_ug
2023年6月23日に、第15回 Alteryx User Group in Tokyo というイベントが開催されました。
本記事はこのイベントのレポートブログとなります。
イベント概要
connpassより引用
Opening
Alteryx ACE の 梶谷氏よりはじめの挨拶と情報共有がありました。
Community Updates
Alteryx Community が Maveryx Community と名付けられ再始動しました!
Alteryx のミッションである「Analytics for All」の下、最前線で活動する人々の団結する場という位置付けのようです。こちらは、2023年5月に開催された Alteryx の年次カンファレンスイベント「Inspire 2023」にて発表があったものです。関連セッションの詳細は以下のレポートにまとめられております!
【レポート】DAY 2 キーノート:Maveryx Communityを最大限に利用するための情報 #alteryx23 | Developers IO
ライトニングトークセッション① 『Alteryxマクロの魔法:業務活用度を飛躍的に向上させる共有戦略』
登壇者
株式会社エイトハンドレッド 小俣氏
内容
- 株式会社エイトハンドレッドについて
- 株式会社マクロミルを親会社とし、マーケティングの全領域をカバー
画像は公式ページより引用
- 株式会社マクロミルを親会社とし、マーケティングの全領域をカバー
-
自己紹介
- テクノロジー本部マネージャーとして、以下のような業務を担当
- 様々なデータソースを統合した集計・分析
- データ分析基盤の整備、BI 環境構築・浸透支援
- 業務オペレーションの自動化・効率化
- テクノロジー本部マネージャーとして、以下のような業務を担当
- Alteryx の導入理由
- 各種業務システムから出力したデータの活用にあたり、データ加工・整備のために Alteryx を利用
- 処理が速いことに加え、業務で使用する他製品(BI ツールなど)用のデータを直接出力できる
- Alteryx を使用して感じた課題
- 同じ処理を構築する場面が多々ある
- 特殊なデータの加工、不要なカラムやレコードの削除 など
- 「ほしい機能」を持つツールがない
- 当初のデータ加工以外の部分も Alteryx でできるとより手間がなくなる
- 同じ処理を構築する場面が多々ある
- これらの課題を「マクロ」を作成することで解決!
- 具体的には、以下のような工程をマクロ化
- システムから出力されるデータに必ず実施する前処理部分
- システムからデータを取得しワークフローに読み込む部分
- これにより、ツールを数多くしていたワークフローを簡素化
- 具体的には、以下のような工程をマクロ化
- マクロの共有
- 作成したマクロは、yxi 形式で Alteryx Server から配布
- yxi 形式でマクロを配布することの利点
- yxi ファイルをインストールすることで、標準ツールのようにツールパレット上のカテゴリに追加される
- マクロにはヘルプを追加できるので、ユーザーはその場で使い方を確認できる
- マクロの中身をユーザーが閲覧できる
- マクロの共有による副次的な効果
- マクロの構築部分をユーザーが確認できるようにしたことで、
- 自らその内容を理解し、追加機能を持たせた自作のマクロを作成するユーザーが現れることも
- マクロ構築における、エラー回避の観点をユーザーが考慮できるようになる
- これにより、ユーザーの初級から中級・上級へのステップアップに貢献
- マクロの構築部分をユーザーが確認できるようにしたことで、
ライトニングトークセッション② 『西部電気工業(株)でのAlteryx取組み状況のご紹介』
登壇者
西部電気工業株式会社 高内氏
内容
- 西部電気工業株式会社について
- 通信建設業界にて、通信の基盤を建設
- 福岡ソフトバンクホークスのオフィシャルスポンサー企業
画像はこちらより引用
-
通信建設業界のIT動向
- メンテナンス業務などの効率化のために、DX化が進む
- インフラ管理は、GISの位置情報とセットで管理
- Alteryx の利用場面
- データ集計業務
- データ突合、加工、生成業務
- 空間マッチング
- ボロノイ分析
- ポリゴン生成 など
- Alteryx の利用で得られた効果
- Excel マクロで処理を行っていた部分をワークフローで置き換え「見える化」することで、業務品質向上
- メンバー間でレビューが容易に
- 別業務での利活用も
- 数十~数百万件を超えるデータを高速処理できることによる時間短縮
- Excel マクロで処理を行っていた部分をワークフローで置き換え「見える化」することで、業務品質向上
- Alteryx の利用で苦労した場面
- 既存ツールの実行結果との比較
- Alteryx で今後取り組みたいこと
- 社内展開を進めることで、作業効率化・改善活動に取り組んでいきたい
- 業務システムへの接続
- BI ツールの活用 など
- 社内展開を進めることで、作業効率化・改善活動に取り組んでいきたい
ライトニングトークセッション③ 『税務業務におけるsmall automation』
登壇者
PwC税理士法人 澤田氏・深見氏
内容
- 自己紹介
- 澤田氏・深見氏の両氏ともシステムインテグレーターでのバックグラウンドを持つ
- PwC税理士法人では、税務業務をはじめとする幅広い業務に対し、プロセスやシステムフロー・データフローも含めた整理・標準化、自動化へのサポートなどを実施
- 税務業務とは
- 大きく分けて、国内税務と国際税務の2つのカテゴリ
- 幅広い業務を少人数で実施している
- ERP 由来の大量のデータを扱う国内税務において、Alteryx の利用場面が多い
- 税務業務効率化・高度化のポイント
- データの流れを整理し、デジタルを前提としたプロセスを再定義する
- 人とシステムそれぞれが実施する役割を明確にする
- この際、業務を小さく切り出し、自動化することで、変更に強くなる
- 税務業務は法改正による変更が多い
- 税務業務における small automation 事例
- 表計算ソフト(Excel)および情報共有基盤、Alteryx を用いた事例
- 海外税務では、システムが異なるために標準化が難しい
- システムが異なると、表計算ソフトで質問表を送付する場合がある。この際、以下のような自動化の仕組みを組み込んでいる
- 質問表はユーザーが回答しやすいフォーマットの状態のまま
- Excel のドキュメントプロパティを設定しておき、SharePoint ライブラリへ列連携することで、データの一元管理と構造化を自動的に実施
- これにより、Alteryx が複雑になる要因を事前に可能な限り回避する
- 構造化されたデータに対して、加工処理を Alteryx で構築
- 複数システムからのデータ統合(マージ)など
- 表計算ソフト(Excel)および情報共有基盤、Alteryx を用いた事例
- PwC Japan グループのアップスキリングへの取り組み
- 各自の端末に Alteryx をインストールし、自身の業務での使用を促している
- 普段の業務での活用により習慣化することで、アップスキリングが一過性のものとならないように工夫
特別ゲストLT「Spatial Analytics in Alteryx」
登壇者
Deanna Sanchez 氏
内容
- 自己紹介
- 2005年から Alteryx の利用を開始
- Alteryx ACE
- 専門分野
- Alteryx や ESRI ArcGIS などの GIS(地理情報システム)ソフトウェアを活用した高度な空間・人口統計分析
- Alteryx での空間分析について主要なツールをデモを交えて紹介
- Alteryx がサポートする空間データのフォーマット(一部抜粋)
- Alteryx yxdb
- ESRI Shapefile(.shp)
- Personal GeoDatabase(.mdb)
- GIS(.grc, .grd)
- Google Earth/Google Maps(.kml)
- MapInfo Professional Interchange Format(.mif)
- MapInfo Professional Table(.tab)
- SRC Geography(.geo)など
Supported Data Sources and File Formats | Alteryx Help
※インプットのみ可能なフォーマットもあるので注意
- 空間オブジェクトタイプの基本
- ポイント
- x,y 座標(経度、緯度)で表せる単一の地点
- ライン
- 地点と地点を結ぶ線分
- ポリライン
- 地点と地点を結ぶ複数の線分。複数のラインを1つのグループとして扱う。
- ポリゴン
- 複数の点や線分からなる閉じた領域
- ポイント
- デモ
- 以下のツールをデモを交えて紹介
- ポイント作成
- 緯度経度の情報をポイントタイプの空間オブジェクトに変換できる
- 結果ウィンドウで特定のレコードを選択すると、閲覧ツール上で対象のポイントが強調される
- 商圏分析
- ポイントタイプのオブジェクトに対して、ポイントの中心から特定の半径を持つ円形のポリゴン(商圏のポリゴン)を生成する
- [オーバーラップを除外する] オプションで、各ポイント間で重なり部分を除去して半径を描くことも可能
- 空間マッチ
- 2つの入力アンカーを持ち、一般的には以下の入力を与える
- T(Target):より広範囲のオブジェクト。ポリゴンなど。
- U(universe):より小さなオブジェクト。ポイントなど。
- 入力として与えられた2つの空間オブジェクトが、交差しているか、含まれているか、接触しているか判定できる
- デモでは、商圏(ポリゴン)内にいる顧客(ポイント)を判定
- 2つの入力アンカーを持ち、一般的には以下の入力を与える
- 距離
- 空間オブジェクト間の距離を算出できる
- 最寄り地点検索
- ある空間オブジェクトと別の入力の空間オブジェクト間の最短距離を算出し、指定のランクで表示できる
- 空間プロセス
- 空間オブジェクト同士を結合したり、空間オブジェクトをカットすることができる
- マップ入力
- ツールで参照できるベースマップ上で、ポイント、ライン、ポリゴンを描画することで空間オブジェクトを作成できる
- ポイント作成
- 以下のツールをデモを交えて紹介
- 投影方法の変更
- Alteryx Designer では、デフォルトで WGS 84 という投影法(座標系)を基準に空間オブジェクトを作成する
- ポイント作成ツールや空間情報ツールなどで投影法を変更することが可能
Alteryx Inspire 参加報告:Alteryx Inspire で得た Tips の紹介
登壇者
東洋エンジニアリング株式会社 時松氏
内容
- Zoom
- ワークフローのズーム機能
- ワークフロー上で「右クリック > 拡大」よりズーム可能
- 選択したツールや、コンテナ単位での拡大も可能
- コンテナに名前を付けておくと、任意のコンテナの拡大が容易
- ワークフローのズーム機能
- Insert tools by double click
- 以下の手順で、ツールパレットからのドラッグアンドドロップなしで、ワークフローにツールを追加できる
- キャンバスで、次のツールを追加したい前のツールをクリック
- ツールパレットから追加したいツールをダブルクリック
- 以下の手順で、ツールパレットからのドラッグアンドドロップなしで、ワークフローにツールを追加できる
- Scroll on tool palette
- ツールパレットのカテゴリタブや各ツールはマウスでスクロールできる
- Convert to macro
- ワークフローを保存済みかつ、実行後に、以下の手順で一部をマクロ化できる
- マクロにしたい範囲を選択
- 右クリック
- メニューから「マクロに変換」をクリック
- 階乗計算のようなロジックであればこの方法で作成したマクロから、繰り返しマクロ化も容易
- ワークフローを保存済みかつ、実行後に、以下の手順で一部をマクロ化できる
- Avoid Using Processor Intensive Tools
- 処理不可の高いツール
- ソートが必要なツール
- ソートツール
- クロスタブ・転置ツール
- 集計ツール
- 結合ツール
- マクロでできたツール
- データクレンジングツール
- リソース消費が大きい
- 閲覧ツール
- ソートが必要なツール
- 各ツール使用時の注意点
- ソートへの対策
- 重複した使用を避ける など
- 集計ツールへの対策
- より早い段階で集計することで、レコード数を減らせないか検討する
- 結合ツールへの対策
- 結合を何度も重ねているようであれば、まとめることができないか検討する
- string や double 型の項目を結合キーに指定している場合、int 型で実施できないか検討する
- データクレンジングツールへの対策
- 空白削除は trim 関数を使用するなどフォーミュラツールで代用できないか検討する
- 閲覧ツールへの対策
- 完成したワークフロー実行時には無効にする
- ソートへの対策
- 処理不可の高いツール
- Tips and Tricks の参考資料紹介
Alteryx Inspire 参加報告:Inspire in Las Vegas 楽しむための工夫と思い出
登壇者
クラスメソッド株式会社 布施さん
内容
- Inspire に現地参加することで達成したかった成果
- 情報収集
- アウトプット
- Inspire 参加までの事前準備
- セッション参加準備
- セッションリスト確認、参加登録
- セッションの記録方法を事前に決めておく
- 文字起こしアプリ、静音カメラ
- セッション記録に必要な持ち物の整理
- PC、モバイルバッテリー、インターネット環境の確保
- 現地で快適に過ごすための準備
- ロングフライト用のグッズ
- 冷暖房対策 など
- セッション参加準備
- Inspire 現地での様子を紹介
現地の様子や各セッション内容のレポートは、以下にまとまっておりますので、ぜひご参照ください!
Alteryx Inspire 2023 at Las Vegasの記事一覧 | Developers IO
Closing
東洋エンジニアリング株式会社の土屋氏によるクロージングでは、改めて Alteryx Inspire の振り返りと今後のイベントのお知らせがありました。
Alteryx Inspire 関連
東洋エンジニアリング株式会社は、今回のイベントでは日本企業として唯一セッションを実施しています。セッションでは、Alteryx の活用による38,100時間の削減を報告されています。
こちらのセッション内容は、以下のレポートにまとめられているので、ぜひご参照ください。
今後のイベント
- 第16回 Alteryx ユーザー会
- 日時:2023/7/19(水)
- 場所:ANAインターコンチネンタルホテル東京
- Inspire On Tour Tokyo
- 日時:2023/7/20(木)
- 場所:ANAインターコンチネンタルホテル東京
さいごに
以上、第15回 Alteryx User Group in Tokyo のイベントレポートでした。
Inspire に関する情報共有から、マクロも含む自動化・空間分析といった深い内容の多い会でした。すぐ来月にもオフラインイベントがあるので、ご興味ある方はぜひお越しください!